[資料 No.11]

文献解説表

標題

ヒト試験でのキノコキトサン含有サプリメント摂取による抗メタボリックシンドローム効果


著者

堀 祐輔、清水 隆麿、小池田 崇史、渡邉 泰雄


掲載

応用薬理, 73(3/4), 245-253(2007)


要旨

キノコキトサンの抗メタボリックシンドローム効果の検討および用量設定試験を二重盲検法による並行群間比較試験にて実施した。32~59歳の男女46人を被験者とし、無作為に(1)コントロール群、(2)キノコキトサン200mg摂取群、(3)400mg摂取群および(4)800mg摂取群の4群に分けた。被験食品の摂取期間は8週間とし、被験者にはキノコキトサン含有サプリメントまたはコントロールを1日1回1包摂取させた。
その結果、キノコキトサン摂取群では体重、ウエスト周囲径、内臓脂肪面積率および体脂肪率において減少がみられており、キノコキトサンは除脂肪量を保ったまま体脂肪を減少させていた。
また、試験期間中、全被験者において、有害事象および臨床上問題となる異常は観察されなかった。
結論として、被験食品はメタボリックシンドロームの予防や肥満の改善に有効であり、キノコキトサンの最適用量は400mgであることが示された。


目的

キノコキトサン含有サプリメントの8週間連続摂取による抗メタボリックシンドローム効果の検討および用量設定試験を実施する。


具体的手法

•  試験はプラセボ対照二重盲験法で行い、被験者は、BMI、体重、ウエスト周囲径および年齢が極端に偏らないように、無作為に4群へ割り付けた。
•  試験食について、キノコキトサン摂取群は摂取量の違いにより3群(200mg/日、400mg/日、800mg/日)設定し、対照群は外観・性状においてキノコキトサン含有試験食と区別がつかないように調整した。試験食は1日1包(2g)ずつ8週間摂取させた。
•  被験者には、試験開始前の食習慣、運動および日常の生活習慣を変えることのないように指導した。


結果の要約

対象例数摂取量・期間結果
BMIが25以上、体重100kg以内の30歳以上65歳以下の男性又は40歳以上65歳以下の閉経後の女性○46名
(1)コントロール群
 (男性9名、女性3名)
(2)低用量群
 (男性9名、女性3名)
(3)中用量群
 (男性8名、女性3名)
(4)高用量群
 (男性8名、女性3名)
○摂取量
(1)対照食を1日1包
(2)キノコキトサン200mg含有サプリメントを1日1包
(3)キノコキトサン400mg含有サプリメントを1日1包
(4)キノコキトサン800mg含有サプリメントを1日1包

○摂取期間
8週間
○内臓脂肪(CT測定)
コントロール群で変化がなかったのに対し、キノコキトサン摂取により、内臓脂肪の有意な減少が認められ、400mgと800mgでは効果に違いが無かった。

○体脂肪率
毎日の測定値を解析した結果、用量依存的な減少率の増加が認められた。

○除脂肪量
試験前後および群間で有意な差は観察されなかった。

対象

BMIが25以上、体重100kg以内の30歳以上65歳以下の男性又は40歳以上65歳以下の閉経後の女性

例数

○46名
(1)コントロール群
 (男性9名、女性3名)
(2)低用量群
 (男性9名、女性3名)
(3)中用量群
 (男性8名、女性3名)
(4)高用量群
 (男性8名、女性3名)

摂取量・期間

○摂取量
(1)対照食を1日1包
(2)キノコキトサン200mg含有サプリメントを1日1包
(3)キノコキトサン400mg含有サプリメントを1日1包
(4)キノコキトサン800mg含有サプリメントを1日1包
○摂取期間
8週間

結果

○内臓脂肪(CT測定)
コントロール群で変化がなかったのに対し、キノコキトサン摂取により、内臓脂肪の有意な減少が認められ、400mgと800mgでは効果に違いが無かった。

○体脂肪率
毎日の測定値を解析した結果、用量依存的な減少率の増加が認められた。

○除脂肪量
試験前後および群間で有意な差は観察されなかった。


まとめ

キノコキトサンは、安全でかつ痩身効果が高く、さらに効果の持続性も高いことが明らかとなった。肥満の解消、高脂血症、動脈硬化、糖尿病、高血圧症、便秘など生活習慣病およびメタボリックシンドロームの予防と改善に有効な健康食品であることを明らかとした。また、その最適用量は1日の摂取量が400mgであることが示唆された。