[資料 No.10]

文献解説表

標題

キノコキトサン摂取による内臓脂肪低減作用


著者

片海 晟吾、森 正樹、浜屋 忠生、栗原 昭一、森 治樹


掲載

FOOD FUNCTION, 3(2), 1-8(2007)


要旨

日本人男女42名を対象に、二重盲検試験を実施し、キノコキトサン長期摂取による腹部断面脂肪面積に対する影響を調べた。被験者を無作為抽出により2群に分け、1包当たりキノコキトサン150mgを含む試験食を摂取するキノコキトサン群、キノコキトサンを含まない試験食を摂取するコントロール群とし、各々に1日2包、8週間摂取させた。
その結果、コントロール群に対し、キノコキトサン群の体重および内臓脂肪面積が有意に減少した。血液検査では、コントロール群に対し、キノコキトサン群のLDLおよび総コレステロールが有意に低下した。また、医師による問診の結果に大きな変化は認められなかった。これにより、キノコキトサンの摂取は安全に体重および体脂肪を減少させることに有用であることが示された。


目的

キノコキトサンの長期摂取による体脂肪の減少量を、CTを用いることで、内臓脂肪面積及び皮下脂肪面積として正確に測定する方法で検討する。


具体的手法

•  被験者は1週間の前観察期間後に無作為抽出により2群に分け、8週間の摂取期間を設定して群ごとに試験食を摂取する方法で行った。
•  試験食の成分の違いは、キノコキトサンの配合の有無のみで、官能面においては両群の区別が出来ないように調整した。
•  摂取開始時、4および8週目に採血、身体計測、循環器計測を、摂取開始時と8週目にCTによる腹部断面脂肪面積の計測を行った。


結果の要約

対象例数摂取量・期間結果
BMI24kg/m2以上の成人男女○42名
(1)キノコキトサン群 
(男性12名、女性10名)
(2)コントロール群
 (男性11、女性9名) 
○摂取量
(1)キノコキトサン
150mg配合した顆粒分包(300mg/日相当)を1日2包
(2)対照食を1日2包 

○摂取期間
8週間
○体重、BMIおよび体脂肪量
コントロール群は4、8週目とも有意な差は認められなかった。キノコキトサン群では4、8週目に有意な減少がみられた。また、開始から4、8週目までの変化量に群間の有意差が認められた。

○ウエスト周囲径
コントロール群は4、8週目とも有意な差は認められなかった。キノコキトサン群では8週目に有意な減少がみられ、開始から8週目までの変化量に群間の有意な差が認められた。

○内臓脂肪面積および全体脂肪面積
コントロール群は有意な差が認められなかったが、キノコキトサン群では摂取8週後に有意な減少がみられ、試験開始からの変化量について群間の有意な差が認められた。

○皮下脂肪面積
両群とも、摂取8週後の有意な減少および群間差は認められなかった。

対象

BMI24kg/m2以上の成人男女

例数

○42名
(1)キノコキトサン群 
(男性12名、女性10名)
(2)コントロール群
 (男性11、女性9名) 

摂取量・期間

○摂取量
(1)キノコキトサン
150mg配合した顆粒分包(300mg/日相当)を1日2包
(2)対照食を1日2包 
○摂取期間
8週間

結果

○体重、BMIおよび体脂肪量
コントロール群は4、8週目とも有意な差は認められなかった。キノコキトサン群では4、8週目に有意な減少がみられた。また、開始から4、8週目までの変化量に群間の有意差が認められた。

○ウエスト周囲径
コントロール群は4、8週目とも有意な差は認められなかった。キノコキトサン群では8週目に有意な減少がみられ、開始から8週目までの変化量に群間の有意な差が認められた。

○内臓脂肪面積および全体脂肪面積
コントロール群は有意な差が認められなかったが、キノコキトサン群では摂取8週後に有意な減少がみられ、試験開始からの変化量について群間の有意な差が認められた。

○皮下脂肪面積
両群とも、摂取8週後の有意な減少および群間差は認められなかった。


まとめ

食事内容や運動量を日常生活と同じように維持した状態でキノコキトサンを毎日300mg摂取することにより、体重、体脂肪量、内臓脂肪、BMIおよび体脂肪率が有意に低下したことから、キノコキトサンを食生活の中で日常的に摂ることで、肥満予防や生活習慣病の改善に役立つことが期待された。