[資料 No.3]

文献解説表

標題

エノキタケ抽出物含有食品の過剰摂取による安全性の検証


著者

堀 祐輔、清水 隆麿、松山 明正、渡邉 泰雄


掲載

応用薬理, 76(1/2), 25-31(2009)


要旨

20歳以上59歳以下の男女で、BMI25以上の者12名、25未満の者12名、計24名(男性13名、女性11名)を対象に、エノキタケ抽出物を含有する錠剤を1日あたりの摂取目安量(4粒中にエノキタケ抽出物400mgを含有)の5倍量、すなわち1日20粒(20粒中にエノキタケ抽出物2000mgを含有)を4週間連続摂取させるオープン試験を行った。
その結果、試験の評価を行うための各測定項目について、摂取開始時の測定値は全て基準値の範囲内で、異常な値は認められず、BMIの差による変化も認められなかった。
また、臨床上問題となるような有害事象も認められず、BMIの違いに関わらず健康上の問題が生じる可能性は低いと考えられた。
これらのことから、本試験食品は安全性の面で問題の無い健康機能食品であることが示唆された。


目的

エノキタケ抽出物を含有する打錠食品(錠剤)について、過剰摂取時における安全性を検討する。
また、体構造の違い(BMI25以上、25未満)による安全性への影響について検討する。


具体的手法

•  エノキタケ抽出物を含有する錠剤を、1日摂取目安量(4粒中にエノキタケ抽出物400mgを含有)の5倍量(20錠中に2000mg)、4週間連続で被験者に摂取させる。
•  通常の食習慣、運動および日常の生活習慣を変えることのないように指導した。
•  測定値の評価は、摂取開始時の値に対する各測定値を対応のあるt-検定を用い、いずれも有意水準は両側5%で検定した(株式会社SPSS製 SPSS Ver.10を使用)。


結果の要約

対象例数摂取量・期間結果
20歳以上59歳以下の日本人男女○24名

BMI25以上:12名

BMI25未満:12名
○摂取量
1日20粒(エノキタケ抽出物2000mg配合) 

○摂取期間
4週間
○体構造および血圧、心拍
体脂肪率、血圧などで有意な変動が認められたが、試験による変動ではないと考えられた。

○血液学検査、血液生化学検査
いずれの項目についても、臨床的に問題となる変動は認められなかった。また、BMIの違いによる変化も認められなかった。

○有害事象および診察所見
1名に試験食品との因果関係を否定できない軽度の軟便の症状が認められた。原因は不明だが、一過性で摂取期間中の数日で症状が回復したこと、および脱水症状も無いことから、医師により臨床的には問題がないものと判断された。

対象

20歳以上59歳以下の日本人男女

例数

○24名
BMI25以上:12名
BMI25未満:12名

摂取量・期間

○摂取量
1日20粒(エノキタケ抽出物2000mg配合) 
○摂取期間
4週間

結果

○体構造および血圧、心拍
体脂肪率、血圧などで有意な変動が認められたが、試験による変動ではないと考えられた。

○血液学検査、血液生化学検査
いずれの項目についても、臨床的に問題となる変動は認められなかった。また、BMIの違いによる変化も認められなかった。

○有害事象および診察所見
1名に試験食品との因果関係を否定できない軽度の軟便の症状が認められた。原因は不明だが、一過性で摂取期間中の数日で症状が回復したこと、および脱水症状も無いことから、医師により臨床的には問題がないものと判断された。


まとめ

1日摂取目安量の5倍量のエノキタケ含有する錠剤(20錠)を4週間連続摂取した場合でも、BMIの違いに関わらず健康上の問題が生じる可能性は低いと考えられた。
また、臨床上問題となるような有害事象は認められなかったことから、本試験食品は安全性の面で問題の無い健康機能食品であることが示唆された。