[資料 No.1]

文献解説表

標題

β-グルカン複合キノコキトサンの特性と生理作用 ―脂質吸収抑制作用を中心として―


著者

岡崎 英雄


掲載

食品と開発, VOL.39(4) 73-75(2004)


要旨

食生活の欧米化に伴って、脂質の摂りすぎによりコレステロールや中性脂肪が高いといわれる人が増えている。これらの数値の上昇は、肥満体型や様々な生活習慣病を引き起こすきっかけとなるため、食事制限や定期的な運動などをして改善していくことが求められるが、かなりの強い意思が必要となり、忍耐や我慢強い人でなければ続けることがつらい場合が多い。そこで食用きのこから新・機能性食品であるキノコキトサンを開発した。キノコキトサンはβ-グルカンとキトサンからなる複合食物繊維で、油分の周りに薄い膜を形成し、腸の粘膜を薄くコーティングすることによって腸からの脂質の吸収を抑制する作用を持つ。また、カニキトサンなどに見られるエグ味が無いので、様々な食品への応用が可能である。これまでに、動物実験においてコレステロール吸収抑制効果が、ヒト試験において脂肪の吸収抑制効果が実証されている。


目的

A.コレステロール摂取に対するキノコキトサンの効果の検討
B.脂肪摂取に対するキノコキトサンの効果の検討


具体的手法

A. ラットに「高コレステロール飼料(対照群)」またはキノコキトサンを「5%配合した高コレステロール飼料(キノコキトサン群)」を3週間自由摂取させ、血清総コレステロール濃度を測定した。
B. キノコキトサンを「食前に摂取(食前0.3g投与群)」、「食後に摂取(食後1g投与群)」、または「摂取しない(対照群)」の3グループに被験者を分けた後、高脂肪食を食べてもらい、1時間おきに採血をして血清中性濃度を測定した。


結果の要約

対象例数期間結果
A.5週齢ラット雄16匹
B.ヒト10名
A
・対照群:8匹
・キノコキトサン5%投与群:8匹 

B
・対照群:4名
・食後1g投与群:3名
・食前0.3g投与群:3名
A.3週間
B.高脂肪食を食べた後、1時間おきに採血
A.血清コレステロール増加量の比較キノコキトサン群において対照群と比べ、有意に低い値であった。  B.血中中性脂肪濃度の比較・食後投与群は対照群に比べ、2~6時間後で中性脂肪濃度が減少した。・食前投与群は対照群に比べ、1~6時間後で中性脂肪濃度が減少した。・脂肪吸収抑制率はキノコキトサンを食後に1g投与したときに約40%、食前に0.3g投与したときに約60%であった。

対象

A.5週齢ラット雄16匹
B.ヒト10名

例数

A
・対照群:8匹
・キノコキトサン5%投与群:8匹 
B
・対照群:4名
・食後1g投与群:3名
・食前0.3g投与群:3名

摂取量・期間

A.3週間
B.高脂肪食を食べた後、1時間おきに採血

結果

A.血清コレステロール増加量の比較キノコキトサン群において対照群と比べ、有意に低い値であった。 

 B.血中中性脂肪濃度の比較
・食後投与群は対照群に比べ、2~6時間後で中性脂肪濃度が減少した。
・食前投与群は対照群に比べ、1~6時間後で中性脂肪濃度が減少した。
・脂肪吸収抑制率はキノコキトサンを食後に1g投与したときに約40%、食前に0.3g投与したときに約60%であった。


まとめ

キノコキトサンを食前に摂取することにより腸内がコーティングされるため、後から食べたものに含まれている脂質の吸収を劇的に抑えることができる。また、食事中や食後に摂取した場合には、油分を小さな塊として捕らえ、体内に過剰に蓄積するのを防ぐこともできる。このような脂肪吸収抑制効果から、キノコキトサン摂取が、好きな食べ物を今まで通り食べながら誰でも気軽に目標達成ができるという全く新しいダイエット方法になるのではないかと考えられる。